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ヘルペスより認知度と感染者が多いクラミジア感染症

2019年10月12日
患者と説明している医者

現在日本における性病の中でも感染者数が一番多いのが、性器クラミジアになります。原因菌になっているのがクラミジア・トラコマチスという細菌に近い病原性微生物です。数ある性病の中でも突出して感染者数が多いのは、理由の一つとして感染力が強いことが挙げられます。
感染者数のコア層の年齢を見れば、性病の特性が際立ってきます。患者は男性女性ともに、性交渉を活発にもつ傾向の強い20歳代が中心です。若年層に感染者数が多い傾向は女性ではさらに顕著で、29歳以下の女性に限ると、男性の数を上回るほどとされています。最近の日本における性行為の初回年齢の低下傾向が定着していることと平仄を合わせるかのように、10代の感染者数も急増しています。妊婦健診では3~5%程度でクラミジア・トラコマチス感染が判明していることから、無自覚の感染者は相当な数に上ると推測されているほどです。
原因菌のクラミジア・トラコマチスは子宮頸部から卵巣や卵管などに炎症の範囲を拡大することもあり、炎症の後遺症で卵管狭窄などが発生すると不妊症の原因になってしまいます。
成年では性行為や性的接触行為が主な感染経路ですが、新生児では産道通過時に直接感染する例も珍しくないとされています。
性器クラミジアは自覚症状が乏しいというのが特徴ですが、一方、男性では排尿時の違和感や分泌物が排出されるなどの尿道炎症状が出現することがあります。しかし症状の程度は軽微なであることが多いようです。女性ではさらに症状が乏しく自覚症状がない事例も珍しくありません。ところが放置すると不妊症のリスクが高くなるので、わずかな違和感も見逃さないで治療することが重要になってきます。クラミジア感染症の治療は、細菌類に有効な抗生物質を投与することが主な治療になります。とりわけクラミジア感染症の治療に利用される抗生物質は、ジスロマックです。ジスロマックには有効成分にアジスロマイシンが配合されています。アジスロマイシンは細菌のたんぱく質合成を阻害する作用を持っていますが、人間の細胞のたんぱく質合成には影響を与えません。そのため治療効果が高いだけでなく、安全性も高いと評価されています。
なおクラミジア感染症は、ヘルペスのようにウイルス感染が原因となっているわけではありません。従ってヘルペス治療に使用される抗ウイルス剤では効果を発揮することができません。クラミジア感染症はあくまで細菌感染症として治療することが重要で、同じ性病だからといってヘルペス治療薬を流用するのは控える必要があります。